オーストラリアへ商品を送る際には、送れる商品と送れない商品があるので注意が必要です。
豪州では動植物の保護や環境維持、公共の安全を守るため、食品や植物、動物製品などを中心とする輸入に関して非常に厳しい規制があります。
この記事では、「オーストラリアに送れないもの」を具体的に解説するとともに、安全に商品を届けるための発送方法や注意点を詳しくご紹介します。
これからオーストラリア向けに発送を考えている方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
関連記事:アメリカ(米国)に送れないもの一覧|禁制品と規制品の違い&発送方法のポイント
オーストラリア(豪州)に送れないものの基礎知識
海外への発送は国ごとに異なる輸入規制があるため、オーストラリア向けにおいても、送れない商品について知っておくことは重要です。
ここでは、オーストラリアで規制されている商品の基本的な情報について解説します。
オーストラリア(豪州)で禁止されている輸入禁止・規制品目
資源国として有名なオーストラリアは検疫が厳しい国であり、輸入禁止・規制品目が食品や動植物製品など多岐にわたるため、発送する予定のある方は注意が必要です。
これらの輸入禁止・規制品目は、豪州の厳しい検疫基準に従って、危険物や病害虫、外来種の侵入を防ぐために指定されたものが中心となっています。
また、発送の際に、植物素材や果物・野菜の運送に使われたことがわかるダンボール箱などを使うと、検疫の対象となるため、梱包材にも注意しなければなりません。
商品を送る際に、オーストラリアの法律に基づく関連要件を満たしていることを確認するのは、発送側の責任とされています。
したがって、事前に規制リストを確認し、送る前に適切な手続きを行いましょう。
オーストラリア(豪州)税関での差し止めや罰則リスクについて
税関での取り締まりが非常に厳しいオーストラリアへ、禁制品や規制品を誤って送付した場合、商品は差し止められ宛先へは届きません。
詳細は後述しますが、違反が発覚した場合、商品が没収されるだけでなく、罰金や法的措置が取られることもあります。
オーストラリアは特に環境保護に力を入れており、違反者には厳しいペナルティが科せられるため、事前の確認が非常に重要です。
オーストラリア(豪州)へ送れないもの一覧
オーストラリアへの商品の発送を考える際、送れないものリストを把握しておくことは必須です。
以下では、具体的な送れないものについて、品目ごとに見ていきましょう。
オーストラリア(豪州)への輸送が全面的に禁止されている品目
オーストラリア(豪州)への輸送が全面的に禁止されている主な品目は以下の通りです。
オーストラリアへ何かを送る際に、必ずおさえておきましょう。
たばこ・葉巻・あへん用パイプ・マッチ
タバコ製品や葉巻、さらにあへん用パイプやその部品・付属品は、オーストラリアへの輸送が厳しく禁止されています。

健康リスクや薬物関連の規制が厳しいため、これらの製品は送ることができません。
肉・肉製品・乳製品・卵・果物・野菜・容器
肉や肉の入った食品、乳製品、卵、すべての果物・野菜、果物製品・野菜製品などは、オーストラリアの厳しい検疫基準に基づき輸入が禁止されています。
さらに、これらの輸送に利用された容器や包装材料も問題となる場合があります。
例えば、「〇〇産のリンゴ」などといった文字や、リンゴのイラストが入った段ボールで発送すると、没収の対象となるため注意が必要です。
動物製品等
発送の対象となることはあまりないと思われますが、下記のような製品も禁止されています。
- 蜂の巣
- 動物性の肥料(グアノを除く)
- 動物のぼうこう
- 卵の包装用品
- 中古の動物用世話具(馬具を除く)
- 乾燥させた血液及び血液たん白質
- 動物の胃袋及びその未加工のエキス
- 動物の精液
- 鳥の死がい及び食用部分
- 鳥の羽根並びに殻つきのかき
植物製品・乾燥植物素材・植物・種子
米、小麦、穀物類、食用の種子類、種実類及び豆類などの、植物由来の製品も輸入禁止です。
また、趣旨や果物の皮が入ったお茶、ハーブ、種子などの乾燥植物素材もオーストラリアでは輸入禁止品目に含まれています。
これらは外来種や病害虫の侵入を防ぐため、オーストラリアでは非常に厳しい検疫措置が取られています。
収集用切手類・貴重品・銀行券・地金・紙幣
収集用切手や地金、紙幣、貴重品、銀行券なども輸入が禁止されています。

高価なものや希少品は特に規制が厳しく、税関で没収されるリスクがあります。
結核予防薬・実験用品
結核予防薬や医療用動物サンプル、診断器具及び微生物も、オーストラリアへの輸送が禁止されています。
条件を満たせばオーストラリア(豪州)への輸送が可能な品目
下記の品目について、条件を満たせばオーストラリア(豪州)へ送れますが、事前に許可を取得することが必要であり、数量にも制限があります。
肉製品・腐りやすい食品・菓子・はちみつ・麺類・酪農製品
生肉、冷凍肉、乾燥肉、燻製の肉、塩漬けの肉及び缶製品を含むすべての肉製品は、オーストラリアの検疫所の許可を得ている必要があります。
腐りやすい食品、菓子、はちみつ、麺類などは輸送可能ですが、特定の基準を満たす必要があります。
これらの食品には厳しい検疫規定が適用されているため、発送する場合は必ずオーストラリア検疫課の許可を取得しましょう。
動物・動物製品・動物の毛・羊毛及び羊毛の見本
動物や動物由来の製品、特に羊毛などを輸送する際は、オーストラリア税関や検疫課の特別な許可が必要であり、合格した製品のみが輸送可能です。

生きた魚及び魚の卵・爬虫類及び魚の皮
生きた魚や魚の卵は、関税・一般税務担当相の許可を得るだけでなく、衛生規則を遵守している場合に限り許されます。
爬虫類の皮や魚の皮などは、オーストラリア検疫担当官の許可が必要です。
動物由来のペットフード
動物由来のペットフードも規制対象となっており、受取人が農林水産省の許可を得られなかった場合は、商品は破棄されてしまいます。
植物
植物の発送には、国内の植物防疫所による輸出検査及びオーストラリアの輸入許可証が必要な場合があります。
したがって、事前に最寄りの植物防疫所又はオーストラリアの植物防疫機関に問い合わせが必要です。
錠剤・種痘用ワクチン・乳剤・解毒剤
錠剤は規制対象であり、特定の条件を満たす必要があるため、事前に検疫などに問い合わせが必要です。

また、種痘用ワクチン・乳剤・解毒剤は、オーストラリア保健局長の許可 を得ている場合に限り発送可能です。
オーストラリア(豪州)へ送れないものを送るとどうなる?
オーストラリアに送れないものを送ると、税関での差し止めや罰金、さらには法的措置を受けるリスクがあります。
ここでは、具体的なリスクと対処方法について詳しく解説します。
税関での差し止め
税関で差止となる理由は、以下の通りです。
- 未申告や虚偽申告
- 輸入禁止品が含まれている
- 規制品に適切な許可証や証明書が付いていない
差し止めが行われた場合、送り主または受け取り主に対して差し止めに関する通知が行われ、なぜ商品が差し止められたのか、そしてどのような手続きが必要かが明記されています。
差し止め対象が禁制品や規制品である場合は、商品は没収され送り主や受取人へ返却されることはありません。
書類不備が原因で差し止められた場合は、必要な書類を提出することで商品が返送される場合がありますが、期限内に適切な対応を行わなければ、商品は破棄されることがあります。
関連記事:海外発送で送れない禁制品とは?国別に送れない品目にも注意!
罰金や法的措置のリスク
禁制品や規制品を誤って輸送した場合、差し止めにとどまらず、オーストラリアの法律に基づき罰金や法的措置が科されることがあります。
オーストラリアは、国内の生態系保護と安全性を守るために非常に厳しい輸入規制を設けており、違反に対しては厳格な対応が取られるのが一般的です。

罰金の額は違反の内容によって異なりますが、禁制品や規制品を輸入した場合は高額になる可能性もあり、輸送規模によっては数百オーストラリアドルから数千オーストラリアドルに及ぶことがあります。
また、以下のような深刻な違反にたいしては、法的措置が取られることもあります。
- 繰り返し禁制品や規制品を送るなどの悪質な違反
- 麻薬や武器などの犯罪に関連する商品を送った場合
- 虚偽申告や書類偽造による犯罪行為
オーストラリアでは、特に外来種や病害虫の侵入を防ぐための法規制が厳格に運用されています。それらの商品に関連する違反は重大な問題として扱われるため、特に注意が必要です。
禁制品や規制品を誤って送った場合の対処法
誤って禁制品や規制品をオーストラリアへ発送してしまった場合、状況に応じて迅速に対応することで、トラブルを最小限に抑えることが可能です。
以下に、具体的な対処法を詳しく解説します。
①商品の返送や回収の手続きを行う
利用した配送業者にすぐに連絡を取り、キャンセルが可能な状況であれば商品を回収します。
日本の税関へ届いてしまっている場合でも、配送業者に相談することで、税関からの返送手続きを進めてくれることもあります。
②商品の没収や廃棄に備える
オーストラリアの税関で没収された場合、返却を求めることは難しく、規制が厳しい商品(動植物製品や医薬品など)は、税関によって廃棄が強制されることが多いです。
また、商品が危険物や違法なものであった場合には、法的措置が取られる可能性もあります。
破棄や法的措置には異議申し立てがほぼできず、必要が発生する場合もあるため、手数料に関しても確認と準備が必要です。
オーストラリア(豪州)に送れない場合の代替手段
オーストラリアへの輸送が制限されている場合でも、適切な代替手段を利用することで、問題を回避することができる場合があります。
ここでは、代替手段の一つである弊社「ポチロジ」の輸送サービスを紹介します。
ポチロジの利用による規制対策
オーストラリアの輸入規制は多岐にわたり複雑なため、一つ一つ顧客から受託したものをチェックするのが面倒なので、画一的に断っている運送会社が多いのが現状です。
しかし、ポチロジは規制品の品目確認に細かく対応しており、人的工数を取って一つ一つ確認することで他社に断られたものを細かく判断した上、発送可能なものを真摯に承っています。
案件に応じて相応の手数料をご負担頂く必要はありますが、危険物や規制品を取り扱う際の手続きに精通しているため、どこよりも安全かつ確実に発送できます。
オーストラリア(豪州)向けに送る際のよくある質問
ここでは、オーストラリアへの発送に関してよくある質問にお答えし、安全に発送を進めるためのポイントをまとめました。
Q1:オーストラリア(豪州)に食料品を送ることはできますか?
一部の加工食品や密封された市販食品であれば、オーストラリアへ送ることができます。
しかし、生鮮食品、肉製品、乳製品、卵、蜂蜜などは輸入が厳しく制限されています。
食品によっては、輸送前に検疫許可が必要な場合もあるため、事前にオーストラリアの検疫規制を確認することが重要です。
関連リンク:Bringing or mailing goods to Australia(英語のみ)
Q2:オーストラリア(豪州)に植物や種子を送ることはできますか?
基本的に、植物や種子の輸送はオーストラリアでは厳しく規制されています。
外来種や病害虫の侵入を防ぐため、特定の植物や種子は輸送が禁止されている場合が多いのが現状です。

例外として、適切な検疫手続きを経た場合に限り、一部の植物や種子は輸送が可能になることもあります。
Q3:オーストラリア(豪州)に送る際に注意すべき動物製品はありますか?
動物製品は、特に厳しい規制の対象です。
毛皮、革製品、羽毛、骨、羊毛などの動物由来の製品は、検疫で問題視されることが多いため、輸送には注意が必要です。
また、ワシントン条約(CITES)で保護されている動物に関連する製品は、輸送自体が禁止される場合もあります。
関連リンク:ワシントン条約事務局
Q4:オーストラリア(豪州)に禁制品や規制品を送った場合、どのようなペナルティがありますか?
禁制品や規制品を送った場合、商品は税関で没収され、送り主に通知されます。
また、罰金や法的措置が取られる可能性があり、違反が悪質であると判断された場合、起訴されるリスクもあります。
したがって、オーストラリアへ輸送する前に規制品や禁制品を確認することが重要です。
Q5:規制されていない商品を安全にオーストラリア(豪州)へ送るための方法は?
規制されていない商品を安全にオーストラリアへ送るためには、事前に税関の規制を確認し、必要に応じて検疫手続きや許可を取得することが重要です。
また、ポチロジの輸送サービスを利用することで、規制品や禁制品に関するリスクを避け、安全に商品を送ることができます。
ポチロジの輸送サービスは、検疫に関する事前相談を受けて、問題なく商品を届けるためのサポートを提供しています。
まとめ
オーストラリア(豪州)への発送には、禁制品や規制品に関する厳しい規制があるため、送る前に必ず確認が必要です。
特に食品、植物、動物製品に関しては、誤送を避けるために詳細なリサーチと準備が欠かせません。
また、禁制品や規制品を送ってしまった場合には罰金や法的措置のリスクもあるため、適切な対策を講じましょう。
オーストラリア(豪州)へ安全に荷物を送るためには、ポチロジの輸送サービスを活用することで、より安心して発送することができますので、いつでもお気軽にご相談ください。