中東情勢の悪化により、海外配送では航空便の運休・迂回や海上輸送の混雑が起こり、荷物の遅延や発送見合わせが発生しやすくなっています。
影響は中東向けだけでなく、欧州やアフリカ向けなど中東を経由しやすい地域にも広がりうる点に注意しなければなりません。
この記事では、荷物は届くのか、どの国・地域が影響を受けやすいのか、配送会社の対応や発送前に確認したいポイントをわかりやすく解説します。
中東情勢の現状と物流の状況
2月末のアメリカとイランの軍事的緊張の高まりを皮切りとした中東情勢の混迷は、足元でも不安定な状態が続いています。
物流面においても一時的な混乱ではなく、輸送網全体が揺さぶられやすい局面に入っているのが現状です。
こうした状況では、物流会社や航空会社は安全確保を優先し、通常ルートの見直しや迂回、受託制限などの対応を取りやすくなります。
さらに、エネルギー輸送の混乱は物流コストの押し上げ要因にもなります。
輸送ルートの混乱に加えて、燃料面の負担が重なることで、配送日数や運賃、輸送の安定性にまで影響が広がりやすい状況です。
中東情勢で海外配送の荷物は届く?届かない?起きている影響

中東情勢の悪化により、海外配送の荷物は一律に届かなくなるわけではありません。
ただし、通常どおりのスケジュールで安定して届くとも言いにくく、地域や輸送ルートによっては遅延や引受制限が発生しています。
中東向けはもちろん、欧州やアフリカ向けでも経由地の影響を受けることがあり、現状は「届く場合もあるが、平時より不確実性が高い」と考えておくのが賢明です。
航空便の運休・迂回により、通常より配送日数が伸びやすい
中東情勢が悪化すると、航空会社は安全確保を最優先にし、運休や迂回、経由地の変更などの対応を取ることがあります。
その結果、通常よりも輸送ルートが長くなったり、積み替え回数が増えたりして、配送日数が伸びやすくなります。
影響は中東向けの荷物だけに限らず、中東周辺を経由する欧州やアフリカ向けにも及ぶ場合があります。
発送自体は受け付けられていても、途中の空港やハブ拠点で滞留することがあるため、平常時と同じ感覚で到着日を見込むのは危険です。急ぎの荷物ほど、余裕を持った手配が必要と言えるでしょう。
海上輸送も情勢次第で遅延や混雑の影響を受ける
中東情勢の影響は航空便だけでなく、海上輸送にも広がっています。
海上輸送では、緊張が高まった海域を避けるために航路変更が行われることがあり、そのしわ寄せが周辺航路や主要港の混雑につながることがあります。
すると、入港待ちや積み替えの遅れが発生し、結果として全体の輸送日数が長引きやすくなるというプロセスです。
また、特定地域向けだけでなく、広い範囲の物流網に影響が波及する点も注意が必要です。航空便が不安定な時でも、船便なら必ず安定するとは限りません。情勢次第では海上輸送でも遅延を前提に考えるべきでしょう。
海上輸送の要、ホルムズ海峡とは
ホルムズ海峡は、中東のペルシャ湾とオマーン湾を結ぶ非常に狭い海峡で、北側にイラン、南側にオマーン(ムサンダム半島)があります。
幅は最も狭い場所で約30〜40kmほどしかなく、実際に大型船が通れる航路はさらに限られています。
ホルムズ海峡が「世界の物流の要」と言われる理由は主に3つあります。
① 世界のエネルギー輸送の大動脈
世界の原油輸送量の約2〜3割がこの海峡を通過しており、サウジアラビア・UAE・クウェートなどの産油国から世界各国へ石油やLNGが運ばれています。
つまり、ここが止まると世界のエネルギー供給に直接影響が出ます。
② 代替ルートがあまり存在しない
パイプラインなどの代替手段はあるものの、輸送量には限界があり、完全に代替することは困難です。そのため、ホルムズ海峡が封鎖・緊張状態になると、輸送の遅延やコスト増加が発生します。
③ 地政学リスクが高い地域
イランをはじめとする周辺国の政治・軍事的緊張が高まりやすく、過去にもタンカー攻撃や拿捕などの事例があります。
このため、保険料の上昇や航路変更(迂回)などが発生しやすく、物流に大きな影響を与えます。
ホルムズ海峡の情勢が悪化すると、国際輸送に大きな影響が出るため、常に最新情報のチェックが重要です。
中東情勢による海外配送料金の高騰
中東情勢の悪化は、配送日数の遅延だけでなく、海外配送料金の高騰にもつながっています。
とくに航空輸送では、原油価格や航空燃料価格の変動、迂回ルートの発生、対象地域への輸送リスクの高まりなどにより、燃油サーチャージや危険地域追加金が上乗せされるケースがあります。
そのため、通常時と同じ感覚で海外発送を手配すると、想定よりも大幅に高い送料になる可能性があります。
海外発送を行う際は、基本運賃だけでなく、燃油サーチャージや危険地域追加金などの追加費用も含めた総額で確認することが重要です。
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燃油サーチャージの急騰
中東情勢の悪化にともない、各配送会社では燃油サーチャージの上昇が目立っています。
燃油サーチャージとは、航空燃料価格の変動に応じて、通常の配送料金に上乗せされる追加料金のことです。
DHLやFedExをはじめとする大手配送業者においても、燃油サーチャージの急騰が生じており、国際輸送にかかるコストが増加しています。
とくに中東向け、または中東を経由する可能性がある配送では、燃油サーチャージの上昇が送料全体に大きく影響する点に注意しましょう。
危険地域追加金の新設
中東情勢の悪化にともない、一部の配送会社では、対象国・地域向けの貨物に危険地域追加金が適用されています。
危険地域追加金とは、紛争・空域閉鎖・治安悪化などにより、通常よりも輸送リスクや運用コストが高まる地域への発送に対して課される追加料金です。
たとえばDHLでは、2026年3月より当面の間、イスラエル等の国に向けた発送、ならびにそれらの国から発送されるすべての貨物に対して危険地域配達手数料を適用すると発表しました。
FedExでも、情勢の影響により対象国向けのフライトを一時停止するなど、各社とも中東情勢の影響を強く受けています。
これらの措置は状況に応じて変更されるため、配送前には最新情報を確認するか、ポチロジにお問い合わせください。
中東情勢の影響を受けやすい国・地域
中東情勢不安の影響を最も受けやすいのは、やはり中東各国です。後述しますが、日本郵便は中東各国への配送遅延をすでに案内しており、平時よりも大幅に到着が遅れてしまうことが懸念されます。
また、影響は中東向けだけにとどまりません。日本郵便は欧州地域・アフリカ地域でも、中東情勢の悪化に伴って周辺地域を発着する航空便・船便が非常に混雑し、到着に時間を要するとしています。
JETROも、ドバイ、ドーハ、アブダビなど主要ハブ空港の停止・制限により、日本やアジアから欧州へ向かう貨物にも影響が及んでいると伝えています。
このため海外発送の際には、荷物の発送先だけでなく、経由地まで含めて確認することが重要です。
中東情勢に関する各配送会社の対応

中東情勢の悪化を受け、各配送会社は発送見合わせ、遅延案内、追加料金、保証対象外の告知など、それぞれ異なる対応を取っています。
共通しているのは、安全確保を優先しつつ、輸送ルートや受託条件を随時見直している点です。
一方で対象国やサービス、遅延の範囲は各社で差があるため、利用サービスに応じて確認することが求められます。
日本郵便は中東地域宛ての発送見合わせや遅延を案内
日本郵便は、中東地域の情勢悪化により、以下の国々宛の配送が難しいことから、差し出しを控えるよう案内を発信しています。
- アラブ首長国連邦
- イスラエル
- イラク
- イラン
- エジプト
- オマーン
- カタール
- クウェート
- サウジアラビア
- トルコ
- バーレーン
- ヨルダン
- レバノン
加えて、欧州地域・アフリカ地域についても、中東を経由する航空便や船便の混雑により、到着までに時間を要するとしています。
ただ、現時点で日本郵便の公式案内から明確に確認できるのは、欧州全体向けの遅延案内です。EMSや国際小包の可否については、宛先国ごとに個別確認するのが安全です。
DHL・FedExも遅延や輸送網への影響を公表
DHLは、中東情勢により航空・海上輸送の広い範囲で混乱が続いているとアナウンスを発信し、リードタイムの延伸、航空便容量の逼迫、海上輸送の受託制限、追加料金の発生可能性について触れています。
FedExも、中東地域での発着便を停止し、複数の湾岸諸国で集荷・配達サービスを中止しているのが現状です。
※4月14日現在の状況であり、最新状況はご確認ください
配送会社によって対応内容や対象国が異なる理由
配送会社ごとに対応が異なるのは、使っている航空会社や船会社、ハブ空港、陸送網、取り扱う貨物の種類、保証条件が同じではないためです。
中東情勢のように変化が速い局面では、ある会社は代替ルートを確保できても、別の会社は一時的に受託制限や追加料金で対応することがあります。
とくに突発的に空港への攻撃や空域閉鎖が起きた場合は、予定していた輸送計画そのものが崩れるため、配送日数や到着可否を確約しにくくなるものです。
悪化する中東情勢下で海外発送を行う前に確認したいポイント

中東情勢が不安定な局面では、荷物を出せるかどうかだけでなく、どのルートで運ばれ、どの時点で遅れや制限が起こりうるかまで確認することが大切です。
発送前の確認を丁寧に行うことで、想定外の遅延や返送のリスクを減らしましょう。
発送先の国だけでなく、経由地や輸送手段も確認する
海外発送では、宛先国だけを見て判断しないことが大切です。中東向けでなくても、中東周辺の空港や港を経由するルートであれば、情勢悪化の影響を受ける可能性があります。
また、航空便と船便では遅延の出方や影響の広がり方が異なります。航空便は運休や迂回の影響を受けやすく、船便は航路変更や港の混雑が長引くことがあります。
発送前には、どの輸送手段が使われるのか、どこを経由する可能性があるのかまで確認し、想定外の遅延リスクを減らすことが重要です。
サーチャージ料金の最新レートを確認する
中東情勢の影響が続いている間は、サーチャージ料金の最新レートを必ず確認しましょう。
燃油サーチャージや危険地域追加金は、固定料金ではなく、情勢や航空燃料価格、配送会社の判断によって変動します。
とくに燃油サーチャージは、DHL・FedEx・UPSなどの主要配送会社で週次や定期的に更新となっている場合があり、見積時点と発送時点で料金が変わる可能性があります。
そのため、海外発送を検討する際は、以下の点を確認しておくことが重要です。
- 発送予定日の燃油サーチャージ率
- 危険地域追加金の対象国・地域
- 対象となる配送サービス
- 見積後に料金変更が起きる可能性
- 経由地の変更による追加費用の有無
また、見積金額が安く見えても、燃油サーチャージや追加手数料を含めると、総額が大きく変わるケースがあります。
複数の配送会社を比較する場合は、基本運賃だけでなく、サーチャージを含めた総額で比較しましょう。
中東情勢は短期間で変化するため、発送直前にも最新レートを確認することが大切です。
急ぎの荷物は通常時より余裕を持った日程で考える
急ぎの荷物ほど、通常時と同じ配送日数を前提にしないことが重要です。
受付自体は行われていても、途中の空港や港、積み替え拠点で滞留し、予定より大きく遅れることがあります。
とくに納期が決まっている書類や商品は、発送が間に合ったとしても到着が遅れれば意味がありません。
相手先との約束がある場合は、通常より早めに出荷する、代替手段も検討しておくなど、余裕を持った日程で考えることが大切です。
ぎりぎりのスケジュールで動くほど、情勢変化の影響を受けやすくなります。
最新の配送可否と追跡状況を都度チェックする
中東情勢の影響は固定的ではなく、短期間で状況が変わることがあります。
そのため、一度確認して終わりにするのではなく、発送前後に最新情報を都度確認することが大切です。
発送前は配送会社の案内を見て、対象国やサービスに変更が出ていないかを確認し、発送後は追跡情報をこまめにチェックします。
早い段階で遅延や異常に気づければ、配送先への連絡や代替対応もしやすくなります。状況が不安定な時期ほど、出した後の確認まで含めて対応する意識が重要です。
中東情勢による海外配送の影響でお困りなら、まずはポチロジへお問い合わせを
中東情勢の悪化により、海外配送は通常どおりに進まないケースが増えています。発送先だけでなく、経由地や輸送手段によっても影響は異なるため、自社だけで判断するのが難しい場面もあります。
配送可否や遅延リスクに不安がある場合は、最新状況を踏まえて対応を検討することが大切です。
またこのような不安定な情勢下では、荷物や配送先に応じて、柔軟に配送計画を策定し、発送を依頼できる専門家への相談もおすすめします。
海外発送でお困りの際には、ポチロジへお気軽にお問い合わせください。
【参考元】
https://www.post.japanpost.jp/int/information/2026/0302_01.html?
https://www.post.japanpost.jp/int/information/2026/0309_01.html
https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/03/b150ada27c5d83ae.html
https://www.post.japanpost.jp/int/information/2026/0309_01.html
https://www.dhl.com/jp-ja/home/global-forwarding/help-center/logistics-news.html
https://www.moomoo.com/ja/news/post/66238287/us-iran-conflict-disrupts-global-supply-chains-major-shipping-giants?level=1&data_ticket=1776133782608062



