MIDコードとは?
MIDコードとは、アメリカの輸入通関で使われる製造者識別コードです。Manufacturer Identification Codeの略称で、製造者や荷送人、輸出者などを識別するために使用されます。
MIDコードは米国輸入通関で使われる製造者識別コード

MIDコードは、アメリカへ輸入される貨物について、どの事業者が製造に関わったのかを識別するためのコードです。
衣類の場合、商品名だけでは通関に必要な情報が不足することがあります。
たとえば、Tシャツ、ジャケット、パンツといった品名に加えて、素材、原産国、用途、製造者情報などを確認する必要があります。
MIDコードは、その中でも製造者を特定するために使われる情報です。
HSコードとの違い
MIDコードと混同されやすいものに、HSコードがあります。HSコードは、輸出入される商品を分類するためのコードです。税関が商品の種類を判断し、関税率や輸入規制を確認するために使います。
一方、MIDコードは、商品の分類ではなく、製造者情報を識別するためのコードです。
つまり、HSコードは「何の商品か」を示すコード、MIDコードは「誰が製造に関わった商品か」を示すコードと考えるとわかりやすいでしょう。
衣類のアメリカ向け発送では、HSコードとMIDコードの両方を確認することが重要です。
HSコードが正しくても、MIDコードや製造者情報が不足していると、通関時に追加確認が入る可能性があります。
●HSコードについてはこちらの記事もご参考ください。
HSコードとは?通関書類に記載する番号の意味や調べ方を簡単に解説
MIDコードが必要になるケース

MIDコードは、すべての海外発送で必ず必要になるわけではありません。主に、アメリカ向けの輸入通関で、商用目的の貨物や特定の品目を発送する際に求められやすい情報です。
特に衣類や繊維製品は、素材や原産国、製造者情報が確認されやすいため、発送前にMIDコードの要否を確認しておくと安心です。
商用目的のアメリカ向け発送で必要になりやすい
MIDコードは、販売や納品など、商用目的でアメリカへ商品を発送する際に必要になりやすい情報です。
たとえば、越境ECで衣類を販売する場合、アメリカの取引先へ商品を送る場合、展示会や商談用のサンプルを発送する場合などが該当します。
商用貨物では、税関が商品分類、申告価格、原産国、製造者情報などを確認します。そのため、コマーシャルインボイスには、品名、数量、単価、原産国、HSコード、製造者情報などを正確に記載する必要があります。
衣類・繊維製品で確認されやすい理由
衣類・繊維製品でMIDコードが重視されるのは、商品分類や原産地確認が複雑になりやすいためです。
同じシャツでも、綿製か化学繊維製か、ニットか織物かによってHSコードや関税率が変わる場合があります。
また、衣類は販売者、ブランド、製造工場、輸出者が異なるケースも少なくありません。
日本の事業者が販売していても、実際の製造国が中国、ベトナム、バングラデシュなどであれば、製造者情報は別途確認する必要があります。
少額貨物やサンプル品でも確認が必要な場合がある
少額貨物やサンプル品であっても、MIDコードの確認が必要になる場合があります。たとえば、1点だけのサンプル、少量のテスト販売商品、ECで販売した低価格の衣類などでも、発送目的が商用であれば、通関時に詳細な情報を求められる可能性があります。
「小さい荷物だから不要」と判断するのではなく、商品内容、発送目的、受取人との関係を整理したうえで、配送会社や通関業者に確認することが大切です。
MIDコードの作成方法
MIDコードは、製造者の国名、会社名、住所などをもとに作成します。任意の管理番号ではなく、製造者情報を一定の形式に整理して作成するコードです。
正しいMIDコードを作るには、まず製造者の正式名称と所在地を確認する必要があります。略称やブランド名だけでは、製造者情報として不十分になる場合があります。
製造者の国名・会社名・住所をもとに作成する
MIDコードは、米国税関(CBP)のルールに基づき、製造者の国コード、会社名、住所情報などを組み合わせて作成します。会社名や住所に含まれる一部の文字を使うため、もとになる情報が不正確だと、MIDコードも誤ったものになります。
たとえば、製造者名、所在地の都市名、番地、国名などを確認し、不要な記号や句読点を除いて整理します。作成後は、コマーシャルインボイスなどの通関書類に記載します。
販売者ではなく実際の製造者情報を確認する
MIDコードを作成する際に注意したいのが、販売者情報と製造者情報を混同しないことです。
衣類では、販売会社やブランドと、実際に商品を製造した工場や事業者が異なることがあります。
アメリカ向け発送で必要になるMIDコードは、原則として実際の製造者情報をもとに作成します。
仕入れ品やOEM商品を発送する場合は、取引先や仕入れ元に確認し、製造者の正式名称と住所を把握しておきましょう。
衣類・繊維製品をアメリカへ発送する際の確認ポイント

衣類・繊維製品をアメリカへ発送する際は、MIDコードだけでなく、素材、原産国、HSコード、商品状態も確認する必要があります。これらの情報は、関税率や輸入規制、通関可否の判断に関わります。
素材・原産国・製造者情報を確認する
衣類の通関では、素材情報が重要です。綿、ポリエステル、ナイロン、ウール、レーヨンなど、使用されている素材によってHSコードが変わる場合があります。
また、原産国は「発送する国」ではなく、商品が実質的に製造された国を指します。日本から発送する商品でも、製造国が中国であれば、原産国は中国として記載します。
あわせて、製造者名と住所も確認しておきましょう。特に商用発送では、ブランド名や販売者名だけではなく、実際の製造者情報が必要になる場合があります。
新品・中古品・サンプル品で記載内容を分ける
衣類を発送する際は、新品、中古品、サンプル品のどれに該当するかも明確にします。新品を販売目的で送る場合は、商品名、数量、価格、素材、原産国、HSコードなどを正確に記載します。
中古衣類であれば、「Used clothing」「Second-hand clothing」など、中古品であることがわかる表現を使います。
サンプル品の場合も、「Sample」と記載することがありますが、無償であっても税関申告用の参考価格は必要です。
海外発送時に必要な書類と記載ポイント
アメリカ向けに衣類を発送する際は、内容品に応じた書類を正しく準備する必要があります。
特に商用発送では、コマーシャルインボイス、パッキングリスト、送り状・配送ラベルの内容に不備があると、通関で確認が入りやすくなります。
コマーシャルインボイス
コマーシャルインボイスは、海外発送時に重要な書類です。輸出者、輸入者、商品内容、数量、価格、原産国、取引条件などを記載し、税関が貨物の内容を確認するために使います。
衣類の場合は、「Clothing」や「Apparel」とだけ記載するのではなく、「Cotton T-shirt」「Polyester jacket」「Used denim pants」のように、品目や素材がわかる表現にしましょう。
MIDコードが必要な場合は、製造者情報とあわせて記載します。
パッキングリスト・送り状・配送ラベル
パッキングリストは、箱数、各箱の内容、数量、重量などを示す書類です。複数の商品をまとめて送る場合は、インボイスの内容と数量が一致しているか確認しましょう。
送り状・配送ラベルには、差出人、受取人、配送先住所、電話番号、内容品などを記載します。
アメリカ向け発送では、州名、郵便番号、会社名、担当者名の誤りが配送遅延につながることがあります。
HSコード・原産国・MIDコードの記載内容をそろえる
海外発送時の書類では、HSコード、原産国、MIDコードの整合性が重要です。商品説明では綿製Tシャツと記載しているのに、HSコードが別素材の分類になっている場合、通関時に確認が入る可能性があります。
また、日本から発送する商品でも、製造国が海外であれば、原産国はその製造国を記載します。MIDコードも、販売者ではなく実際の製造者情報をもとにした作成が必要です。
アメリカ向け衣類発送でよくあるトラブルと対策

アメリカ向けの衣類発送では、書類不備や記載ミスによって通関が止まることがあります。特に多いのが、MIDコードの不備、HSコードの誤り、原産国や素材情報の不足です。
MIDコード不備による通関遅延
MIDコードが未記載だったり、製造者情報と一致していなかったりすると、通関時に追加確認を求められる可能性があります。特に、販売者と製造者が異なる商品では注意が必要です。
対策として、発送前に製造者の正式名称、住所、国名を確認しましょう。仕入れ品やOEM商品の場合は、ブランド名ではなく、実際の製造者情報を確認することが重要です。
HSコードや原産国情報の誤り
HSコードや原産国の誤りも、関税トラブルや通関遅延の原因になります。衣類は、素材や形状によって分類が変わるため、商品説明を具体的に記載することが大切です。
原産国についても、日本から発送するかどうかではなく、どこの国で製造された商品かを確認します。
素材、用途、商品状態とあわせて、インボイス上の記載に矛盾がないか確認しましょう。
●HSコードについてはこちらの記事もご参考ください。
HSコードとは?通関書類に記載する番号の意味や調べ方を簡単に解説
発送前に確認したいチェックリスト
発送前には、次の項目を確認しておくと安心です。
・商品名を具体的に記載しているか
・素材と原産国を確認しているか
・製造者名と住所を把握しているか
・MIDコードの要否を確認しているか
・HSコードに誤りがないか
・数量、単価、合計金額が一致しているか
・インボイス、パッキングリスト、送り状の内容に矛盾がないか
これらを事前に確認することで、通関時の追加確認や配送遅延を防ぎやすくなります。
判断に迷う場合は、配送会社や通関業者に確認しながら進めましょう。
まとめ:MIDコードを正しく理解してスムーズな海外発送を実現
MIDコードは、アメリカ向けの輸入通関で使われる製造者識別コードです。特に衣類・繊維製品を商用目的で発送する場合は、製造者情報の確認が重要になるため、MIDコードが求められることがあります。
衣類をアメリカへ発送する際は、MIDコードだけでなく、HSコード、原産国、素材、商品状態、必要書類の記載内容をあわせて確認しましょう。
情報を事前に整理しておくことで、通関遅延や書類不備を防ぎ、スムーズな海外発送につながるはずです。
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