化粧品を海外へ送る際、梱包や発送可否の判断が難しく、思わぬトラブルや返送リスクが発生しがちです。本記事では化粧品が「危険品扱いになる条件」をわかりやすく解説します。
どの化粧品が安全に送れるのかを把握し、スムーズな海外発送を目指しましょう。
化粧品の発送には注意が必要
海外発送や国際宅配、国際郵便において、一見安全そうな化粧品でも「危険品」と見なされることは珍しくありません。
中でも液体やアルコールを含む製品は、輸送中に揮発や引火がおこりやすくなるため、国際航空運送協会(IATA)の規定や各国の輸送規制によって厳しい取り扱いが求められます。
ポチロジをご利用のお客様へ:危険品の判断について
以下の条件をすべて満たしている場合、一般的には航空法上の「危険品」には該当しません。
- アルコール濃度が24%以下である
- 引火点が60度を超えている
- 高圧ガスを使用していない
このような記載は、多くの販売サイトでも確認できます。そのため、「危険品には当たらないので発送してほしい」といったご要望をいただくことがあります。
また、「飛行機に預ける荷物や機内に持ち込む手荷物としては問題ないのだから、国際宅配便でも問題ないはず」といったご意見も多く寄せられます。
しかしながら、最終的に輸送の可否を判断するのは、航空会社やクーリエ業者(DHL、FedExなど)です。
弊社の「ポチロジ」サービスでは、たとえ上記の条件を満たしていても、アルコール(例:エタノールなど)が含まれている商品については、お取り扱いをお断りする場合がございます。恐れ入りますが、あらかじめご了承くださいますようお願いいたします。
化粧品が「危険品」になる理由とは?

続いて、化粧品が「危険品」になる理由を詳しく解説します。
アルコール(エタノール)含有率が高い
化粧水やスキンローション、美容液のような液体製品には、揮発性を高めるためにエタノールが多く含まれていることがあります。エタノールの含有量が高いと、引火点が下がり、少しの火花でも引火するリスクが高くなるのが問題です。
そのため、エタノール含有率が一定以上の化粧品は、国際航空便で「可燃性液体」として分類され、発送が制限されるか、梱包や書類を厳格に整えなければ輸送ができません。
引火点60℃以下の液体
引火点とは、液体が蒸気となり、火花や炎に触れたときに着火する最低温度のことです。一般に引火点が60℃以下の液体は、国際航空規則で「危険物クラス3」に分類されます。
化粧品でこの基準に該当しやすい例として、マニキュアや除光液、高濃度アルコール入りローションなどが挙げられます。
これらは船便では発送可能でも、航空便では追加の書類提出や特殊ラベルの貼付が必要になり、適切に手続きを行わなければ輸送会社から差し戻される可能性があることを覚えておきましょう。
高圧ガス(スプレー缶)
ヘアスプレーやムース、制汗剤などのスプレー缶入り化粧品は、中身の高圧ガスと可燃性成分が混ざっています。そのため、温度変化や衝撃によって缶内部の圧力が上昇すると破裂や噴出の危険があるものです。
そのため、航空法において「危険物」のひとつに分類され、国際郵便も国際宅配も原則として取り扱いを認めていません。国内では問題なく使える商品でも、海外発送の際にはこの高圧ガスが障壁となり、送付そのものが不可能となるケースがほとんどです。
化学成分が未確認
化粧品の中には、自社製造や小規模ブランドなどで成分情報が公開されていないものもあるでしょう。
輸出先の税関や国際宅配業者は、SDS(安全データシート)を根拠に化学成分の危険性を判断します。SDSがない化粧品は「中身が不明確な危険物」とみなされ、発送が拒否されるか、最悪の場合は廃棄になることもあるものです。
高濃度オイル美容液は特に揮発性成分が多く含まれるため、SDSを添付しなければ航空便での取り扱いができません。
SDSを取得していない場合は、必ずメーカーや輸送代行業者に相談し、成分証明書を確認した上で発送手続きを進める必要があります。
発送可能な化粧品と、発送不可な化粧品一覧
ここでは、発送可能な主な化粧品と、そうでない化粧品を一覧形式でまとめています。発送・梱包前にシートを確認して、未然にトラブルを回避しましょう。
| 区分 | 具体例 | 海外発送可否 | 備考 |
| 固体タイプ | リップスティック、チーク、ファンデ(パウダー)など | 発送可能 | 特別な制限なし |
| 液含シート | 美肌マスク、洗顔シートなど | 発送可能 | 漏れ防止の梱包が必要 |
| 液体(アルコールなし) | 化粧水・乳液・ボディソープなど | 条件付き発送可 | 「Not Restricted」明記+Instruction Form添付推奨 |
| 液体(アルコールあり) | 香水、アルコール入りローション等 | 発送不可または要SDS | 危険品扱いの可能性 |
| スプレー缶 | ヘアスプレー、制汗剤など | 発送不可 | 航空法上の危険物 |
国際発送の際に注意すべき3つのポイント
化粧品を海外に送るときには、たとえ発送可能なアイテムであっても、見落としがちなポイントを押さえておかないとトラブルが発生しやすくなります。この章では、輸送手段に応じた制限の違い、SDSの有無確認、そして梱包方法における工夫の3つの観点から、より確実かつ安全に国際発送を行うためのポイントを解説します。
輸送手段により制限が異なる
国際発送を行う際には、利用する手段によって化粧品の取り扱い制限が大きく変わります。
例えば、国際郵便はIATAの危険品規則に則り、液体やアルコールを含む化粧品は非常に厳しい制限のもとで取り扱われます。
引火点が60℃以下と判断される化粧水や美容液は、国際郵便ではほとんどの場合において送付が認められません。そのため、できるだけアルコール不使用のものを選ぶか、船便を利用したゆったりしたスケジュールで発送を検討することが必要です。
一方で、FedExやDHL、UPSなどの国際宅配便を使う場合には、各社が独自に設定している化粧品に関するガイドラインがあるため、条件を満たせばアルコール含有化粧品でも「条件付き」で送ることが可能になる場合もあります。
ただし、国や地域ごとに規制が異なるため、輸送代行業者に依頼して最新の情報を確認し、発送前に送付方法を明確にしておくことが大切です。
SDSの有無を確認する
多くの国では、成分の安全性を確認できない製品を「潜在的に危険性があるもの」として扱い、通関審査の段階で差し戻しや返送を行うケースが増えています。
特にオイル系美容液のように揮発性や可燃性が強い成分を含む製品は、SDSを添付して初めて輸入許可が下りることがほとんどです。したがって、発送前には必ずメーカーやブランドからSDSを取り寄せ、成分の引火点や可燃性情報が記載されているかどうかを確認しましょう。
もしSDSが発行されていない場合は、輸送代行業者に相談して代替資料の作成や成分証明書の取得方法を検討する必要があります。
海外輸送サービス「ポチロジ」では、お客様一人ひとりに専任の担当者が付き、随時ご相談いただけます。
適切な成分情報があることで、税関や運送会社からの問い合わせ対応がスムーズになり、結果として国際郵便や国際宅配便でも通関の遅れを防ぎやすくなるでしょう。
梱包方法に工夫する
化粧品を国際発送する際、梱包の質が通関や輸送トラブルを左右することがあります。まず、液体製品は漏れや破損による二次被害を防ぐために、製品そのものを防水用のジップ袋に入れて密封し、その上からプチプチやビニールフィルムで包み込むことが重要です。
また、外箱には厚手の段ボールを使用し、底部と側面にクッション材を配置して衝撃吸収力を高めると、輸送中の圧力変化や衝撃を和らげることができます。固体タイプのコスメであっても、粉状やパウダーが周囲に散乱しないよう、各アイテムを個別にビニールで包み、隙間があれば緩衝材を詰めるなどの工夫をこらしましょう。
送り状やダンボール外側のラベルには「Cosmetic, non-dangerous goods」や「Not Restricted」などの英文表記を正確に記載することで、税関職員に誤解されるリスクを減らすことができます。
まとめ
化粧品の国際発送では、アルコール含有や引火点、梱包方法、SDS確認など専門的な知識と煩雑な手続きが必要です。あらかじめどのようなリスクがあるのかを踏まえ、準備を十分に行った上で発送を行いましょう。
ポチロジの発送代行サービスでは、配送に関する疑問点をクリアにした状態で、安心して荷物を輸送することができます。書類作成の代行はもちろん、ラベル記載や書類作成のサポートまで、経験豊富なスタッフが対応するサービスです。
安全かつスムーズな海外発送を実現し、業務の効率化も進めたい場合には、ぜひご活用ください。



