日本からカナダへ貨物を送る際に欠かせないのが「関税」の理解です。
関税は輸入品に課される税金で、国内産業の保護と税収の確保を目的として設けられています。
輸入する品目や原産国、政策変更などによって関税率は変わるため、最新の法令や規則などを参照し、自身が送ろうとしている貨物にどのくらいの関税率が適用されるのかを調べておくことが大切です。
本記事では、関税の仕組みや税率の種類、免税制度の最新情報、発送時の注意点までをわかりやすく解説します。
関税とは?どんな仕組みで課税される?
関税とは、外国から輸入される物品に課される税金であり、輸入者(受け取り側)に支払う義務があります。
たとえば日本からカナダへ商品を送る場合、輸入者が申告した内容に基づいて関税額が算出され、税関では申告内容の審査や必要に応じた検査が行われます。
貨物が現地に到着し、税関を通過する際に発生する税金であるとおさえておきましょう。
⚫︎関連記事:関税はどんな仕組みで課税される?税率の種類と計算方法、支払手続きについて
カナダにおける関税制度

カナダでは、関税法(Customs Tariff Act)に基づき、輸入品に対して関税が課されています。
税率は輸入先の国や商品の種類によって異なり、複数の優遇制度があることに注意が必要です。
たとえば、日本からの輸入にはTPP11(CPTPP)協定が適用され、条件を満たせば関税が引き下げられるケースもあります。
次に、カナダにおける関税制度を詳しく見ていきましょう。
カナダの関税率の種類
カナダでは、輸入品に対して適用される関税率が下記の4つに分かれています。
- 最恵国待遇(MFN)
- 一般特恵関税率
- 後発開発途上国関税率
- その他
まず最恵国待遇(MFN)は、GATT加盟国からの輸入に適用される、カナダにおいて一般的な税率です。
次に一般特恵関税率は、一部の開発途上国を対象とする特恵関税制度です。
後発開発途上国関税率は、一般特恵関税率よりも強力な優遇措置で、特定の農産物を除き、無税となります。
その他、カナダ・米国・メキシコ協定(CUSMA/USMCA)やTPP11(CPTPP)など、 FTA締結国向けには別途税率が定められており、TPP11(CPTPP)適用国には日本も含まれます。
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カナダの関税の課税方法/課税基準
カナダでは、品目に応じて従価税・従量税・併用税のいずれかが適用されます。
多くの輸入品は従価税が適用され、取引価格をもとに課税額を算出します。
課税基準となっているのは、WTOの関税評価協定に基づいた取引価格ベースの評価制度です。
関税評価額の決定方法は、カナダの関税法第47条から第55条に規定されており、輸入者は取引価格を正確に申告する義務があります。
カナダへの輸送時に関税のほかにかかる税金・手数料

カナダへ貨物を輸送する際、関税のほかにもいくつかの税金や手数料が発生します。
代表的なものが「連邦物品サービス税」「物品税・特別物品税」「州売上税」「統一売上税」「アンチダンピング税・相殺関税」の5つです。
以下では、それぞれの税金・手数料の概要について詳しく解説します。
連邦物品サービス税
連邦物品サービス税(Goods and Services Tax/GST)は、基本的な食品を除く、ほとんどの物品およびサービスの提供に対して課される税金です。
税率は一律5%に設定されており、一部の州では、統一売上税(HST)に含めて徴収されます。
連邦物品サービス税は、関税支払い後の価格に対して課税され、輸入業者に支払い義務があります。
物品税・特別物品税
物品税(Excise Tax)・特別物品税(Excise Duty)は、連邦物品税法に基づいて課税される税金です。
関税・連邦物品サービス税が課されたあと、特定の物品に対して課税されます。
物品税は燃料効率の悪い乗用車・自動車用エアコン・特定の石油製品など、特別物品税はアルコール飲料・タバコ・大麻製品などが課税対象となっています。
州売上税
州売上税(Provincial Sales Taxes/PST)は、各州内における小売・使用などを目的として持ち込まれた有形動産に対して課される税金です。
アルバータ州と3準州(ユーコン、ノースウエスト、ヌナブト)は適用外となるほか、食料品は一般的に非課税となるなどの一部の例外があります。
消費者が負担し、小売業者が徴収・納税をする間接税となっており、税率や非課税対象は州によって異なります。
統一売上税
統一売上税(Harmonized Sales Tax/HST)は、連邦物品サービス税と州売上税を一本化した税金です。
主に以下の州において統一売上税が設けられており、オンタリオ州は13%、その他の州は15%の税率となっています。
- オンタリオ州
- ニュー・ブランズウィック州
- ノバスコシア州
- ニューファンドランド・ラブラドール州
- プリンス・エドワード・アイランド州
アンチダンピング税・相殺関税
アンチダンピング税(Anti-Dumping Duty)・相殺関税(Countervailing Duty)は、特別輸入措置法によって定められる税金です。
カナダの産業保護を目的として設けられており、国内の事業者が不利益を被るのを防止するねらいがあります。
具体的には、海外企業から不当に安い金額で輸入された商品にはアンチダンピング税、輸出国において補助金を受けた商品に対しては相殺関税を課すなどして、不公正な価格競争に巻き込まれることを防いでいます。
カナダの関税制度における免税枠
カナダでは、輸入される商品の金額や目的に応じて、関税が免除または軽減される制度が設けられています。
日本からカナダへの輸出の場合、20カナダドル以下の貨物は原則として関税の免税対象となっています。
また、贈答品(ギフト)として送られる場合は基準が引き上げられ、60カナダドル以下が免税対象です。
カナダへの海外発送時の注意点
カナダへ貨物を発送するうえでは、関税以外にもさまざまな規制や書類上の注意点があります。
よくあるトラブルとして、申告書類の記載ミスや不備によって通関が遅れたり、課税金額が変動したりするケースも少なくありません。
以下では、発送前に確認すべき代表的なポイントとして、「必要書類の準備」と「禁制品・規制品の把握」を中心に解説します。
送り状・インボイスなどの必要書類
カナダへ貨物を輸送する際には、送り状・インボイス・税関申告書・パッキングリスト(内容明細書)などの書類を準備する必要があります。
これらの書類には、商品名・数量・単価・原産国・HSコード(品目分類番号)などを正確に記載しなければなりません。
誤った記載や記入漏れなどがあると、税関での確認作業が長引くだけでなく、通関遅延や追加課税の原因となることもあります。
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⚫︎関連記事:海外発送時のインボイスの書き方を徹底解説!インボイス(運送状)の注意すべきポイントと具体例付き
海外発送が制限されている禁制品・規制品
カナダへの発送では、法律や安全上の理由から送ることが禁止・制限されている商品が存在する点にも注意しましょう。
代表的な禁制品には、バッテリー、可燃性ガス、火薬類などがあり、航空法やカナダ国境サービス庁(CBSA)、カナダ食品検査庁(CFIA)の規制によって制限されます。
一方で、輸送自体は可能ですが、特別な許可や検査が必要な規制品もあります。
⚫︎関連記事:海外発送で送れない禁制品とは?国別に送れない品目にも注意!
カナダポスト労働組合によるストライキ
カナダ国内において郵便配送を行っているカナダポストでは、過去に賃上げや労働条件の改善を目的としたストライキを実施しています。
2025年5月に開始されたストライキは、2025年9月25日に全面的なストライキに拡大し、カナダ宛の国際配送の遅延が懸念されています。
2025年10月現在、日本郵便が国際郵便物の発送を見合わせるなど、日本からの貨物の輸送にも多大な影響が及んでいます。
●関連記事:【2025】カナダ郵便ストライキまとめ|なぜ起きているの?いつまで続く?海外発送の遅延対策
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参考リンク



https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/02/2024/e5887d2b205aa7a6/202403.pdf


